ギリシャ神話には、手相における「てのひらの宇宙」をイメージしていくのにとても役立つエピソードがたくさん含まれています。
なので、いつも手相講座の中でギリシャ神話のお話が出てくるわけですが、その度に思います。
ギリシャ神話の神さまって、ホントにめちゃくちゃ!
神さまなのに人間くさいwww。
この記事では、そんな神さまたちの世代交代のお話を取り上げていきます。
初代は天空の神ウラノス
ギリシャ神話で一番はじめに王として頂点に立ったのは、天空の神ウラノスさん。

カルル・フリードリッヒ・シンケルの絵画『ウーラノスと踊る星々』(1834年)ベルリン工科大学建築美術館所蔵
天王星の守護神です。

写真提供:NASA
このウラノスさん、王様になったのはいいものの、その地位を奪われるのが怖くて、2番目に生まれてきた強そうな我が子たちを地底に閉じ込めてしまうんです^^;
そこで黙っていられないのは、母親であり妻でもある(めちゃくちゃですね!)ガイアさん。
大地の女神ですね。

フォイエルバッハの絵画『ガイア』(1875年)ウィーン美術アカデミー所蔵
「ちょっ!!!!!
あんた、なんばしよっとかね!!!!!
んもーーー!!!
ほんなごとぐらぐらこくーーーーー!!!!!」
※博多弁丸出しお許しください。
訳:「ちょっとあなた、何てことをしてくださるのですか?もう私は耐えられません!」
そして考えます。
あ!!!そーたい!!!
と考えついたことが恐ろしい・・・
先がギザキザのノコギリみたいになっている巨大な鎌をつくらせて・・・
最初に生まれた子どもたちを集めて、その鎌をギラギラちらつかせながら頼むのです。
「ちょ、あんたたち、これば使ってからくさ、あたしが教えちゃーとーりにして、とーちゃんばやっつけちゃらんね!?」
・・・このなんとも恐ろしい企みに引いてしまう子どもたち。
「そしたら王様にしちゃーけん!うん!」
・・・
そう言われて果敢にも名乗りを上げたのがクロノスさん!
2代目は土星の守護神クロノス
クロノスさんは、土星の守護神。

Hubble Observes a New Saturn Storm写真提供:NASA
なんと、ガイアさんに言われたとおりに、ウラノスさんのモノを刈り取って、海に向かって肩越しに放り投げてしまうのです!

ジョルジョ・ヴァザーリの描いた、クロノスとウーラノス
そうして海面に浮かぶそのモノから湧き出た白い泡から生まれたのが、かの有名な愛と美の女神アフロディテさんなんですね。
金星の守護神です。

サンドロ・ボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』(1484年-1485年頃) ウフィツィ美術館所蔵
え・・・
あの美しいアフロディテさんの大元は男根だったのか・・・^^;
こうしてガイアさんとの約束が果たされ、王座に就いたクロノスさん。
レアさんという女神と結婚してめでたく何人もの子どもが生まれます。
ところがこのクロノスさんもまた、父とおなじ因縁を繰り返す・・・。
「お前もまた子どもたちから地位を奪われる」
という予言を恐れ、自分の子どもたちを次々に飲み込んでしまうのです・・・!
妻のレアさん、これはいかん!と、策略を練ります。
母であるガイアさんに相談して・・・
(クロノスさんとレアさんはきょうだいなのだ(笑))
まだお腹の中にいた末っ子を、こっそり別の場所(クレタ島)で産んで、育てさせるのです。
3代目は木星の守護神ゼウス
この、こっそり育てられたお子様が、かの有名な全知全能の神ゼウスさん!

1680年にスミルナにて発見されたゼウス像 ルーヴル美術館所蔵
木星の守護神です。

写真提供:NASA
無事に大人になったゼウスさんは、おばあちゃんに当たるガイアさんと相談しながら、自分のきょうだいを飲み込んだとーちゃん(クロノス)に薬を飲ませて、きょうだいたちを吐き出させることに成功!
ここからゼウスさんチームとクロノスさんチームの戦いが始まることになります。
ゼウスさんチームの本拠地はギリシャの最高峰「オリンポス山」。
ギリシャ神話の神々の居所とされている山ですね。
10年間休みなしで続いたこの大きな戦い。
なかなか決着がつかなかったのですが、最後にゼウスさんが頼りにしたのは、ガイアさん。
ガイアさんからの知恵を借りて、最初にウラノスさんに閉じ込められたガイアの子どもたちを解放して味方につけることで、ついにゼウスさんチームが勝利の旗をあげることとなったのです。
こうしてゼウスさんは、末っ子でありながら、きょうだいたちを助けた功績を称えられ神々の頂点に立つこととなりました。
それからはゼウスさんがずっと世界の王として君臨するのであります。
因縁を断ち切ったゼウス!
こうしてゼウスさんの代で、権力争いの因縁の繰り返しは断ち切られました。
さらに、ゼウスは、とーちゃんのクロノスとは仲直りをして、自分のお氣に入りの人間の英雄たちを集めた「至福者たちの島」という楽園の王さまとして迎え入れたのです。
権力争いの因縁を断ち切ったことは素晴らしい。
慈悲深さも素晴らしい。
だけど、愛人さんがいっぱいすぎるのはちょっとね・・・。
まとめ
人間くさいギリシャ神話の神々の世代交代のお話。
神さまの世界もいろいろあるんですね・・・。
そんな世代交代の物語を、星を眺めながら感じることができるのはおもしろいところ。
木星さんが1番でっかくて、続いて2番目の土星、3番目の天王星と続くのですね。
↑絵についてはそっとしておいてくださいw。
実際の夜空では、天王星さんは肉眼で見ることは難しいですが、木星さんと土星さんは、肉眼でもすぐにわかります。
惑星は年によって見える位置が変わります。
2020年の今は、並んで見えていてとっても綺麗ですね。
大きい方が木星さん。小さい方が土星さん。
本当に美しくて見とれちゃいます。
古代ギリシャの神々のお話に思いを馳せながら夜空を眺めてみるのも楽しいですね♪